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告発者特定し処分は「ありえない話で法令違反」公益通報に詳しい弁護士、百条委で指摘

産経ニュース 2024年9月6日 18時29分

兵庫県の斎藤元彦知事の疑惑が文書で告発された問題を巡り、県議会の調査特別委員会(百条委員会)は6日、公益通報に詳しい山口利昭弁護士(大阪弁護士会)を参考人として招いた。文書の存在を把握した直後に告発者を特定し、公益通報の調査を待たずに告発者の元県西播磨県民局長の男性(60)=7月に死亡=を停職3カ月の懲戒処分とした県当局の対応について、「ありえない話で法令違反」と指弾した。

山口氏は、公益通報に当たらないとされるケースとして名誉棄損などの「不正な目的」がある場合があると説明した。

山口氏に先立って証言した元副知事の片山安孝氏は、メールの送受信記録の中に「クーデター」「革命」といった文言が含まれていたことを理由に「不正目的な行為であり(公益通報の)対象にならないと思っていた」と説明。一方、山口氏は「事業者(県)側に立証責任があり、相当厳格な調査をしなければ『不正の目的』は認められない」と強調し、告発者の男性による文書の配布は「公益通報者保護法上の外部公益通報にあたる」との認識を示した。

男性が5月に受けた停職3カ月の懲戒処分についても、「無効となる可能性が高い」とした。

山口氏は、消費者庁の公益通報者保護制度検討会の委員を務めており、公益通報に関連する著書もある。一連の県の対応を踏まえ、同法の法定指針で義務付けられている公益通報への対応体制の整備ができていなかったとして、「まだ兵庫県では違法状態が続いているという理解だ」と批判した。

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