東京都町田市の法政大多摩キャンパスで10日午後、「学生がハンマーを振り回し、けが人が複数いる」と110番通報があり、警視庁は傷害容疑で、法政大学生の韓国籍の女(22)を現行犯逮捕した。学生ら男女8人がけがをしたが、いずれも軽傷という。
大学構内では、これまでも数々の凶悪事件が発生してきた。〝学問の自由〟の拠点であり、教授や学生だけでなく、外部の研究者など多くの関係者が出入りする開放的な空間だけに、安全との両立は常に課題となっている。
宮台真司教授を襲撃後、自殺
記憶に新しいのは、令和4年11月29日午後、東京都八王子市の東京都立大南大沢キャンパスで同大の宮台真司教授(当時)が刃物を持った男に襲撃され、重傷を負った事件だ。
テレビ番組の常連でもある人気教授は事件後、「犯人の目的が言論の萎縮であれば、こちら側としてはいささかも萎縮するわけにはまいりません」とするコメントを公表した。
周辺の防犯カメラは少なく、捜査は難航したが、5年2月、容疑者の男が自殺していたことが発覚。警視庁は同年3月、容疑者死亡のまま殺人未遂容疑で男を書類送検した。動機は最後まで不明のままだった。
リポート巡りトラブルも
2年1月には、名古屋市内の名城大天白キャンパス内の研究室で、男性准教授が学生に刺される事件が発生した。男性准教授は命は取り留めたものの、その後、学生が提出したリポートを巡り、トラブルとなっていたことが発覚した。
学生による凶行はほかにも起きている。
平成21年1月、中央大後楽園キャンパス(東京都文京区)のトイレで、同大理工学部の男性教授が刃物で何回も刺されて死亡。殺人罪で東京地裁に有罪判決を言い渡され、後に確定したのは、教授が卒業論文を指導した元卒業生の男だった。
「悪魔の詩」訳者殺害は未解決のまま時効
未解決のまま時効を迎えた事件もある。
平成3年7月、茨城県つくば市の筑波大の筑波キャンパスで、同大の男性助教授が殺害された。
助教授が日本語訳した反イスラム小説「悪魔の詩」がその前の年に出版されており、小説に反発した者による犯行が疑われたが、18年7月、容疑者が特定されないまま、時効を迎えた。