東京都内で開催中の、北朝鮮に拉致された横田めぐみさん（59）＝拉致当時（13）＝の写真展に5日、母の早紀江さん（88）が来場。幼少期のめぐみさんの姿に目を細めつつ、「（長い間）顔も見られないし声も聞けない」と、早期の再会実現を改めて切望した。
足立区の商業施設で開かれている写真展では、めぐみさんの父の滋さん＝令和2年に87歳で死去＝が撮影した写真など約90点を展示。めぐみさんが三輪車で遊ぶ姿や、旅行に向かう列車内でひょうきんなポーズをとったものなども並び、この日、近藤弥生区長とともに会場を回った早紀江さんの表情も緩んだ。
一方、13歳だっためぐみさんが拉致されてから今年で47年。10月には還暦を迎える。早紀江さんは「47年といえば人生そのもので、それが全部無駄になった」と憤りをあらわに。その上で、「どのご家庭にも、同じような思いで育てた子供たちの写真がたくさんあると思う。日本中の方に（展示を）見てもらい（拉致問題を）知ってほしい」と訴えた。
同区の無職男性（79）は「ご家族の幸せそうな写真が印象的。拉致からこんなに時間がかかっていて、悔しく情けない」と語った。