兵庫県の斎藤元彦知事が再選された昨年11月の知事選を巡り、県内市長会有志の22市長が対立候補だった元同県尼崎市長、稲村和美氏(52)の支持を表明したのは違法だとして、同県川西市の元市議の60代女性が提出した22市長に対する公選法違反(公務員の地位利用による選挙運動の禁止)罪の告発状について、兵庫県警は5日受理した。関係者への取材で分かった。
告発状によると、市長らによる記者会見での稲村氏への支持表明は市長としての地位を利用してなされたものであり、公選法違反に当たるなどとしている。
告発代理人の徳永信一弁護士は先月7日、神戸市内で会見を開き、「市長会を前に出して行う選挙活動は、市長の地位による特定候補者の支持表明と言わざるを得ない」と指摘し、「市長による選挙活動としては一線を越えた」と批判した。
兵庫県知事選を巡っては、県内29市のうち有志である22市の市長が稲村氏の支持に賛同した。現職の市長らが有志を募って知事選候補への支持を表明するのは異例という。