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秘書給与を国から詐取か 自民・広瀬めぐみ氏関係先に捜索 過去にも国会議員が逮捕

産経ニュース 2024年7月30日 20時32分

東京地検特捜部が30日、詐欺の疑いで自民党の広瀬めぐみ参院議員の事務所や自宅の家宅捜索に踏み切った。広瀬氏を巡っては、勤務実態のない公設秘書を雇って国から給与をだまし取った疑いが浮上。秘書給与を巡っては過去にも国会議員が立件されており、特捜部は押収した資料を基に捜査を進める。

30日午前10時半ごろ、東京都文京区の広瀬氏の自宅に、東京地検の係官数名が入った。約1時間後には多くの報道陣が詰めかける中、広瀬氏が帰宅。記者らに「また、しっかりと説明させてもらう」と言い残し、自宅に入っていった。

公設秘書や政策秘書の給与は、国会議員秘書給与法に基づき、勤続年数などに応じて国から月額数十万円が支給される。各議員が国に申し出ると支給されるが、過去には給与が秘書に適切に支払われていない疑いが浮上し、事件化されてきた。

国会議員秘書の給与が詐欺容疑で初めて立件されたのは平成10年12月、中島洋次郎元衆院議員を巡る事件だ。

東京地検特捜部は当時、贈収賄など複数の事件の捜査の過程で中島氏が名義だけの政策秘書を雇っていた疑いを把握。国から政策秘書の給与約1千万円をだまし取った詐欺事件としての構図を描き、立件した。

国会議員による秘書給与流用に詐欺罪を当てはめた嚆矢(こうし)となり、この事件を突破口に国会議員が立て続けに立件される事態に発展していった。

12年9月には民主党(当時)の山本譲司氏が公設秘書に支払われた給与の一部など2300万円余りを抜き取るなどした疑いで逮捕。15年には自民党の坂井隆憲氏、当時社民党にいた辻元清美氏がそれぞれ秘書給与の詐取容疑で逮捕されたり、起訴されたりした。

一連の事件を受けて16年には国会議員秘書給与法が改正。議員経由などで支給されていた給与を秘書本人に直接支払うと明文化された。

関係者によると、広瀬氏の公設第2秘書は国から受け取った給与を上納していた疑いがあり、特捜部は法改正の趣旨を逸脱していた可能性があるとみているもようだ。(桑波田仰太、久原昂也、星直人、宮野佳幸)

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