Infoseek 楽天

物議かもす選挙 SNSや動画配信で過激化 警視庁150年 149/150

産経ニュース 2024年12月27日 8時0分

インターネットを使った選挙運動が平成25年に解禁され、候補者は交流サイト(SNS)などを使い幅広い層に呼びかけることができるようになった。一方で、「炎上商法」ともいえる度を越した活動でSNSや動画配信を通じて注目を集めようとする候補が現れ始める。

令和4年夏、著名人の秘密を公開する「暴露系ユーチューバー」のガーシーこと東谷義和氏がアラブ首長国連邦(UAE)のドバイに滞在しながら参院選に比例代表で立候補。知名度を武器に国外から情報を発信するという異例の選挙戦を展開し、当選した。東谷氏は当選後一度も登院せず除名処分となった。

警視庁は暴露行為の数件が暴力行為等処罰法違反(常習的脅迫)にあたるとして、逮捕状を取り、UAE当局と折衝。国際刑事警察機構(ICPO)に国際手配をかけ、UAEに事実上の国外退去にしてもらうことで帰国させ、逮捕にこぎつけた。懲役3年、執行猶予5年が確定した。

6年には、衆院東京15区補選で、政治団体「つばさの党」の代表や候補者らが他陣営に対して大音量を浴びせたり、選挙カーで追い回したりなど過激な行為を繰り返した。捜査2課は「民主主義の根幹たる選挙の自由を脅かす行為」として、18年ぶりの特別捜査本部を設置。代表ら3人を公選法違反(自由妨害)容疑で逮捕した。

東京都知事選では、政治団体「NHKから国民を守る党」が24人を擁立。寄付をした人に選挙ポスター掲示板の枠を譲り、事実上販売した。全裸に近い女性のポスターを貼る候補には警視庁が警告を出した。

公選法の隙間を突いた行為がさまざまな選挙で混乱を生み、活動の在り方が根本から問われる事態になっている。(外崎晃彦)

この記事の関連ニュース