福岡県警が殺人未遂容疑で平原政徳(ひらばる・まさのり)容疑者(43)を逮捕してから一夜明けた20日、住民からは安堵(あんど)の声が聞かれた。ただ、登校する子供らの見守りなどの警戒活動は続いており、不安を払拭するにはなお時間がかかりそうだ。
現場近くに1人で住むという女性(80)は「ニュースを見てほっとした。怖かったので、窓に鍵をかけたり(事件現場の)近くを通らないようにしていた」と明かす。一方で女性は「あんなに若い子が犠牲になり、親の気持ちを思うとつらい」と話した。
午前8時ごろ、同区内の中学周辺では、職員が登校する生徒に声をかけたり、赤色灯を付けたパトカーが防犯パトロールを行ったりしていた。車で生徒を学校の敷地内まで送り届ける保護者の姿も多く見られ、事件による不安は拭えない状況が続いている。
市教育委員会によると事件以降、市立の小中高などで事件の不安を理由に登校を控えた児童・生徒は計1万人を超えた。市立の全ての学校では24日から冬休みが始まるが、23日までは欠席扱いにしないという。また約千人の市職員を動員した登下校の見守り活動も、23日までは行われる。
付近で防犯パトロールをしていた生徒の保護者の男性(37)は「容疑者は捕まったが、子供たちへの影響は大きい。あんなことをする人間が地域にいたなんて、今後この地域に深いショックを残すと思うといたたまれない」と話した。(藤木祥平、鈴木源也)