近年被害が相次いでいる外国人による大量万引を巡り、警視庁と岐阜県警などの1都4県警合同捜査本部は27日、窃盗や組織犯罪処罰法違反の疑いで、ベトナム国籍の万引グループのアジト4カ所を家宅捜索した。グループは全国のドラッグストアで化粧品や医薬品を狙って万引を繰り返していたとみられ、全容解明を進める。
家宅捜索を受けたのは大阪、埼玉、千葉の1府2県のアジト。このうち、埼玉県坂戸市のアジトでは捜査員が段ボール約10箱を運び出した後、メンバーの一人とみられる男を連行した。
警視庁と岐阜県警は今年、グループ関係者でいずれもベトナム国籍の男女4人を逮捕。その後の調べで、ベトナム国内の指示役を頂点に、日本国内のドラッグストアで盗まれた商品を航空便の手荷物としてベトナムへ持ち込み、現地で転売する万引グループの存在が浮上した。
アジトは盗まれた商品を空港に運ぶまで保管する倉庫として使われていたとみられる。
警察庁によると、医薬品、化粧品などで被害金額が10万円以上となる大量万引は令和5年に1119件、6年も上半期で446件発生。関東圏での発生が6割前後と最も多く、摘発されたグループのうち5年は35%、6年上半期は51%がベトナム国籍だった。