23日夕に福島県喜多方市熱塩加納町(あつしおかのうまち)の住宅のこたつに入り込んでいるところを発見されたクマ1頭が24日午後3時半ごろ、捕獲された。クマは殺処分せず、人気のいない山間地に放たれた。喜多方市の市民生活課有害鳥獣対策室は、殺処分しなかった理由について、「現場での判断」と述べるにとどめた。
クマは体長約90センチで、23日午後6時過ぎ、帰宅した住人の男性が茶の間のこたつに頭を突っ込んでいるところを発見した。隣の家に逃げた男性が午後8時ごろ再び確認したところ、クマは茶の間に居座っており、周囲に食べ物が散乱していたという。
喜多方市や猟友会は24日午前11時過ぎに花火などを使い民家からクマを追い払ったが、近くの小屋に逃げ込み、居座る状態が続いていた。午後3時ごろ、専門家が吹き矢で麻酔を打って眠らせて捕獲。その後、人気のいない山に放たれた。
人里に侵入したクマの捕獲後の対応を巡っては、自治体によって殺処分と放獣で対応が分かれる。秋田市ではスーパーに侵入したクマが2日に殺処分されたが、処分を担った秋田県や同市には「殺さないで」といった内容の抗議が殺到した。