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「ない?全くないですか」部下からの進言は「記憶にない」と斎藤知事、告発文書調査巡り 兵庫県議会百条委証人尋問詳報(5)

産経ニュース 2024年9月6日 16時49分

《兵庫県の斎藤元彦知事らの疑惑が文書で告発された問題を巡り、県議会調査特別委員会(百条委員会)が6日午後に開かれ、斎藤氏本人に対する証人尋問が行われた。斎藤氏への百条委での尋問は8月30日に続き2度目。告発者を公益通報として扱わなかった県の対応などが審議対象となった》

《黒色のスーツに、同色のネクタイ姿で入室した斎藤知事。まずは百条委の奥谷謙一委員長が、元県西播磨県民局長の男性(60)=7月に死亡=が作成した告発文書を入手した経緯から尋問する》

委員長「3月20日、文書をどなたから入手された」

斎藤氏「一般の方」

委員長「具体的には」

斎藤氏「お名前については相手があることなので言えないが一般人」

委員長「純然たる一般人ですか。マスコミとか議員関係とかではなく」

斎藤氏「マスコミ、議員関係ではない」

委員長「名前は」

斎藤氏「個人の名前なので今の状況ではお答えできない」

委員長「翌21日に幹部が集まって協議されている。知事が招集された」

斎藤氏「はい」

《協議には斎藤氏のほか、元副知事の片山安孝氏、前理事の小橋浩一氏、前総務部長の井ノ本知明氏、県産業労働部長の原田剛治氏が集まったとされる》

委員長「仲良しグループで協議」

斎藤氏「仲良しグループかは評価できる立場ではないが、信頼できるスタッフで間違いない」

委員長「どういった指示をした」

斎藤氏「問題がある文書と認識したので、それについてしっかり調査するようにと指示しました」

委員長「もっと具体的に」

斎藤氏「誰がこの文書を作成したのか、なぜ作成したのか意図を把握することが大事だと指示しました」

《この日は斎藤氏に先立って、元副知事の片山氏の証人尋問が行われ、斎藤氏から「徹底的に調べろ」と命じられたと証言している》

委員長「事実か」

斎藤氏「そのように記憶している」

委員長「3月22日にメールの調査が行われているが、これは知事の指示か」

斎藤氏「協議のときにどなたかが『公用メールをチェックするやり方が過去の事例からもあったので、こういう方法もあります』という話もあったので、『わかった』ということです」

委員長「了承したということですね」

斎藤氏「はい」

委員長「協議の中で告発者探しをしてはいけないとの話はあったのか」

斎藤氏「そういった協議はしていないと思います」

委員長「文書を見て核心的な部分が誤りという認識か」

斎藤氏「そう。全体として文書に事実でないことがたくさん含まれていると思いました」

《告発文書には、斎藤氏が家電・調理器具メーカーを訪問した際、同行した原田氏に対し、高級コーヒーメーカーを秘書課に送らせるよう指示したと記されていた。原田氏は、商品を自分宛てに送るよう同社に依頼したと認める一方、斎藤氏からの指示は否定している》

委員長「文書には協議に参加している幹部に関する疑惑もあった。(協議の場で)原田氏からコーヒーメーカーを受け取っていることの報告を受けたか」

斎藤氏「私が(コーヒーメーカーを)受け取っていないと認識しましたので、その項目は事実でないと認識した」

委員長「コーヒーメーカーの協議をしていない」

斎藤氏「私の記憶ではそこは協議していない」

《5日には原田氏への尋問が行われたが、協議の場でコーヒーメーカーの返却を失念していたと斎藤氏らに謝罪したと説明していた》

委員長「原田氏は『返却を忘れた』と言ったと」

斎藤氏「私の認識ではそれはない」

委員長「3月22日にメールの調査をして、23日に(疑惑文書の)作成者が元局長の疑いが強いとの報告を受けた。元局長を事情聴取をするのは知事と片山氏の間で決まったのか」

斎藤氏「事情を聴く必要があり、それをしようという話になりました」

委員長「片山氏から提案があり、知事が了承したということか」

斎藤氏「たしかそうだったと思います」

委員長「調査については片山氏に一任されたということでよろしいでしょうか」

斎藤氏「そうですね」

《この日の片山氏への尋問では、3月下旬に当時の県幹部が斎藤氏に対して第三者委員会で調査する選択肢を提示したと証言していた》

委員長「認識はあるか」

斎藤氏「ないです。『委員会みたいなものを立ち上げて進めていく方法もあるよね』といった話をした記憶は少しあります。ただ、人事課でしっかり調査することが大事という話になったと記憶している」

委員長「第三者委で調査すべきだと進言された記憶はないんですか」

斎藤氏「『すべきだ』と進言された記憶はない」

《3月27日の記者会見。斎藤氏は告発文書を「事実無根」と否定した上で、「噓八百」「公務員として失格」などとこき下ろし、名誉毀損での法的措置にまで言及した》

委員長「片山氏も会見を聞いてびっくりしたと言っていたが、これは知事自身の作成されたメモから発言されたのか」

斎藤氏「メモ自体は作っていないが、記者とのやり取りの中でそういう表現が出てきた」

委員長「知事ご自身のお言葉か」

斎藤氏「はい、そうです」

委員長「4月上旬に『公益通報の調査結果を待ってから元局長を処分をすべきだ』との進言を受けてますよね」

斎藤氏「進言を受けたことはない」

委員長「ない?全くないですか」

斎藤氏「ないと記憶している」

委員長「4月中旬に『公益通報の調査結果を待たずに元局長を処分できないか』と人事当局に検討が依頼されているが、これは知事の指示ですよね」

斎藤氏「私がそういった指示をした記憶はない。そういったことは私は言ってないと思います」

《この問題を巡っては、県幹部が元局長のパソコンに保存されていた告発内容とは無関係な私的情報を県議らに開示していた疑いが浮上している》

委員長「それを知っているか」

斎藤氏「私は指示も関与もしていない。(疑惑の)報道が出た後に、指摘されている職員に直接そういったことをしたか聞いたら、皆さん『していません』とおっしゃっていたので、してないと信じている」

《尋問は続き、斎藤氏は自身の「道義的な責任」にも言及する》

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