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<独自>無資格でメスで切開、医師法違反で介護施設代表を逮捕 90代利用者らが被害

産経ニュース 2024年9月11日 11時31分

介護事業所の利用者に無資格で医療行為をしたとして、大阪府警は11日、医師法違反(無資格医業)の疑いで、大阪府岬町で介護事業所「看護小規模多機能型ホームひらり」を運営するフラットワン(同町)の代表取締役、中村真美容疑者(61)を逮捕した。捜査関係者への取材で分かった。

中村容疑者はメスを使うなどして利用者への医療行為を複数回行い、中には傷口が悪化した人もいたとみられる。大阪府警は無資格医療が常態化していた可能性もあるとみて実態解明を進める。

捜査関係者によると、中村容疑者は今年4月、「ひらり」利用者の90代女性の脚を手術用メスで切開し医療行為を行ったほか、他の利用者にも医療行為をした疑いが持たれている。

5月に府警に情報提供があり、6月に事業所を家宅捜索、裏付けを進めていた。

厚生労働省の資料によると、令和5年10月時点の「ひらり」の従業員は約25人。登録利用者は18人(定員は25人)で平均年齢は87歳だった。施設は通所や宿泊で利用者を受け入れているほか、訪問介護や訪問看護サービスも提供している。

「ひらり」は住宅街の中にあり、近くには医療機関が複数ある。産経新聞は取材を申し込んだが「お断りしている」と応じなかった。府警は中村容疑者がメスを入手した経緯も調べる。

介護施設における無資格医療を巡っては、摘発事例が相次ぐ。兵庫県警は令和3年、神戸市灘区の特別養護老人ホームで胃に栄養を入れる「胃ろう」などの医療行為を無資格で行ったとして、医師法違反などの容疑で元施設長らを書類送検。新潟市の老人ホームでも平成30年、医療資格を持たない介護福祉士にたんの吸引などの医療行為をさせたとして、施設長が逮捕されている。

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