同業他社への転職時に、元の勤務先からタレントの契約情報などのデータを不正に持ち出したとして、警視庁築地署は不正競争防止法違反の疑いで、タレントキャスティング会社「ギャンビット」(東京都中央区)元プロデューサー、山本和佳容疑者(36)=横浜市青葉区荏田町=を逮捕した。署は認否を明らかにしていない。
逮捕容疑は令和5年10月30日、足立区内のインターネットカフェで、会社から貸与されたパソコンを使って営業秘密を保管するクラウドストレージにアクセスするなどしてデータをUSBメモリに保存し、営業秘密を不正に得たとしている。
築地署によると、押収したUSBメモリに、タレントの出演料や契約金といった情報が含まれた数百件のファイルが保存されていた。山本容疑者は犯行翌日に退社し、同年11月から同業他社で勤務を始めていた。ギャンビット社が不正に気付き、同月中に署に相談していた。
逮捕を受け同社は3日、ホームページで、現時点で営業秘密の流出や不正利用は確認されていないとした上で、「関係各位にご心配をおかけすることになり、深くおわび申し上げます」などとするコメントを発表した。