平成31年4月の東京・池袋の乗用車暴走事故で妻子を亡くした松永拓也さん(38)を名指しし、脅迫するメールを送ったなどとして、警視庁少年事件課が脅迫と威力業務妨害の疑いで、横浜市の中学3年の少女(14)を書類送検する方針を固めたことが27日、捜査関係者への取材で分かった。
捜査関係者によると、少女は今年9月11日午後、松永さんが副代表理事を務める「関東交通犯罪遺族の会(あいの会)」と、翌月に松永さんが講演を予定していた人権啓発イベントを主催する松山市に対し、「殺してあげようか」「イベントやる意味あるのか」などのメールを計11通、パソコンから送信。松永さんを脅迫した上、あいの会や松山市の担当者に警察への相談をさせたり、講演会の警備体制強化を計画させたりしたなどして、業務を妨害した疑いが持たれている。
講演会は警備体制を強化して実施された。少女は容疑について認め、反省を示しているという。
松永さんは事故発生から1年となる令和2年4月に実名を公表。事故防止などの活動に力を入れてきた。活動に共感と支援が広がる一方、誹謗中傷も増加。5年10月には警視庁に電話をかけ、松永さんを名指しし「被害者を殺す」などと言って脅迫したとして鳥取市の無職の男が脅迫の疑いで今年3月に逮捕された。