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SNS闇バイト募集に警告発するためAI導入 警視庁、変化する隠語の分析システム構築へ

産経ニュース 2025年1月31日 17時36分

SNS(交流サイト)上で犯罪の実行役を募集する「闇バイト」の横行を受けて、警視庁は東京都の令和7年度当初予算案に、人工知能(AI)に文言の分析、学習をさせて抽出するモニタリングシステム導入のための事業費約1億円を計上した。成立すれば速やかに民間事業者を選定し、闇バイトが関わる強盗や特殊詐欺などの犯罪抑止につなげたい考えだ。

システムはSNS上の闇バイト募集関連の投稿を抽出してリスク順に分類。学習機能を持つAIが、発覚しないよう隠語などを使いながら変化する募集文言を分析し、抽出の精度を向上させていく。警察官が最終確認して警告を行う方針だが、システムが自動で投稿を抽出したり分析したりすることで、迅速に対処できるようになるという。

警視庁では現在、警察官が手動でSNS上の闇バイト関連の文言を検索。実行犯募集の投稿に対して「甘い言葉にだまされないで」「内容は犯罪行為」などと警告して、利用者の目に届くようにしている。3年に特殊詐欺の「出し子」「受け子」などを募集する投稿の対策として始め、6年には8797件の警告を行った。

一方で、SNS上には膨大な投稿があふれていることに加え、募集者は「ホワイト案件」「UD(受け子と出し子)」のようにさまざまな隠語を使うなど手口を巧妙化させている。警視庁はシステムの導入により、投稿されてから警告までの時間の短縮を目指すとしている。

警察庁によると、首都圏の1都3県で昨年8月以降、闇バイトが関連する強盗事件が18件発生。警視庁と神奈川、千葉、埼玉県警の合同捜査本部は1月30日時点で、17事件で実行役ら46人を逮捕している。

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