東京都議会自民党が開催した政治資金パーティーの収入の一部を政治資金収支報告書に記載していなかった問題で、東京地検特捜部が政治資金規正法違反容疑で、都議会自民党の会計担当者の立件に向けて詰めの捜査を進めていることが15日、関係者への取材で分かった。不記載額は計約3千万円に上るとみられる。
関係者によると、都議会自民党は都議1人につき1枚2万円のパーティー券を50枚売るノルマを課していた。都議はノルマ分を都議会自民党に納め、一部の都議はノルマを超えた分を「中抜き」して手元に残す運用が常態化。会計担当者はこうした実態を把握した上で都議会自民党の収支報告書に中抜き分を記載していなかったとみられる。
10人以上の都議は中抜き分を自身の収支報告書に記載していなかったが、不記載額などを考慮し、都議側の立件は見送られる見通し。
過去5年間の都議会自民党の収支報告書によると、パーティーは令和元年12月と4年5月に開催。報告書に記載されたパーティー収入額は元年が6246万円、4年が6112万円だった。
2回のパーティーを巡ってはパーティー券を購入した一部の団体からの収入の内訳を記載していなかったなどとして、大学教授が昨年1月、政治資金規正法違反罪で、会計責任者らを東京地検に刑事告発していた。