訪日客らに売春場所を提供したとして、警視庁保安課は売春防止法違反(場所提供など)の疑いで、東京・歌舞伎町のメンズエステ「SPARAKU」経営、須藤一樹容疑者(54)=新宿区百人町=と、同店や系列店とみられる店の従業員など計7人を逮捕した。須藤容疑者ら6人は容疑を認め、1人は黙秘している。
同課によると、店はインバウンド(訪日客)を対象に営業。ホームページは日本語と英語に対応し、店の周辺で外国語で客引きを行ったり、ツアーガイドが客とともに入店したりする様子も確認されているという。
須藤容疑者は「日本人の女の子と安く性交できることを売りにしており、客の9割ほどが外国人だった」などと供述。料金はそれぞれの国の紙幣で払えるようになっており、同課は店などから16カ国の外国紙幣を押収した。インバウンドを対象とした大規模な売春店の摘発は全国初とみられるという。
ホスト通い外国人に売春
2店舗の女性従業員はいずれも日本人で、「ホスト通いをきっかけに風俗店で働くようになり、スカウトに店を紹介された」「ボーイズバーで数十万円の売り掛けがあり、大久保公園で客待ちをしていた際に須藤容疑者から声をかけられた」などと話している女性もいるという。メンズ地下アイドルの推し活がきっかけで売春を始めた女性(18)もいた。
同庁幹部は、「訪日外国人が増える中、行き場のない女性に声をかけて外国人相手に売春させており悪質」と話し、今後も取り締まりを進めるとしている。
須藤容疑者の逮捕容疑は昨年10~11月、共謀の上、店の20代女性従業員が20~60代の男性客を相手に売春する場所を提供したとしている。