日本の調査捕鯨船の妨害活動に関与したとして、デンマーク自治領グリーンランドで身柄を拘束された反捕鯨団体「シー・シェパード」創設者、ポール・ワトソン容疑者(74)が保釈されたことついて、海上保安庁の瀬口良夫長官は18日の定例記者会見で「このような結果となり残念」と述べ、引き続き関係国や関係機関に引き渡しを求める考えを示した。
デンマーク司法省は17日、ワトソン容疑者保釈の決定理由について、容疑が14年前の行為で時間が経過したことや、勾留期間を刑期から差し引くことに日本側が応じなかったことなどを考慮し、「総合的に判断した」としている。
シー・シェパードは2005年から日本の調査捕鯨船への妨害活動を実施。海保は2010年、シー・シェパードのメンバーが南極海で日本の調査捕鯨船団の監視船の航行を妨害した事件の共犯として、傷害と威力業務妨害の疑いでワトソン容疑者の逮捕状を取り、日本側の要請を受け国際刑事警察機構(ICPO)が国際手配した。
ワトソン容疑者は今年7月、日本の捕鯨船「関鯨丸」の操業を妨害するため、グリーンランドの中心都市、ヌークへ船の給油などで立ち寄った際に地元警察が身柄を拘束。約5カ月間勾留されたが、今月17日に保釈された。