1日未明に埼玉県所沢市の住宅で発生した強盗致傷事件に関連して逮捕された男が、上位者から事件で奪われたクレジットカードを使って買い物をするよう指示されていたことが4日、警視庁・埼玉県警共同捜査本部への取材で分かった。男はX（旧ツイッター）上の投稿に応じて「闇バイト」に参加したと供述。関東近郊では9月以降、強盗事件が相次いでおり、捜査本部が関連を調べる。
詐欺未遂容疑で逮捕されたのは住所、職業不詳の安田勇介容疑者（23）。警視庁捜査1課によると、安田容疑者は事件前日の9月30日、Xの「日給5万円から」「書類運搬」などとする投稿に応募。秘匿性の高い通信アプリ「シグナル」で指示役と連絡を取り合い、都内で隠されていたクレジットカードを回収したという。
その後は指示役から「ヴィトンのバッグ」「30万～40万円のものを選んで買え」などと指示されたが、暗証番号の入力に失敗して逃走した。
1日未明に「闇バイトに応募したが怖くて止めたい」という人物から110番通報があり、捜査本部が事情を聴いたところ、「（闇バイトの）迎えに行く」と伝えられた車が安田容疑者の運転していた車と判明。2日午前10時ごろ、警視庁の捜査員が東京都調布市内で走行中の安田容疑者を確保した。
逮捕容疑は1日午前4時ごろ、東京・歌舞伎町の質店で、所沢事件の被害男性（85）名義のクレジットカードを使い、高級ブランド「ヴィトン」製のショルダーバッグ1点（販売価格34万8千円）を購入しようとしたとしている。「借金の返済がきつかった」と容疑を認めているという。
所沢事件と9月30日に東京都国分寺市で発生した強盗致傷事件、同月18日にさいたま市で発生した強盗致傷事件は指示役が重なるとみられる。同月28日には東京都練馬区でも強盗致傷事件が起きている。
捜査本部は首謀者が実行役や被害品の処分役など、SNSで集めた闇バイトを使い分けながら強盗を繰り返していたとみて、通信アプリの解析などを進める。