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被害1億円超も…寂しさつけ込む「SNS型ロマンス詐欺」に注意

産経ニュース 2024年9月30日 16時18分

恋愛感情などを抱かせて金をだまし取る「SNS型ロマンス詐欺」が相次いでいる。京都府内での今年8月末時点での被害総額は計約5億9千万円に上り、認知件数は同じく社会問題となっている「SNS型投資詐欺」を上回るという。警戒を強める京都府警は、府が運営する「きょうと婚活応援センター」(京都市中京区)の関係者に手口の傾向などを説明。被害根絶に向け、結婚を希望する府民との接触が多いセンターのボランティアらが熱心に聞き入っていた。

府警によると、被害に遭う人は40~60代が中心で、交流サイト(SNS)のインスタグラムやマッチングアプリを経由した接触が目立つ。被害額は500万円以下が多いものの、1億円以上の被害も2件あった。SNS型ロマンス詐欺は増加傾向にあり、今年8月末時点で36件発生している。

こうした状況を踏まえ会議で府警は、不自然な日本語の使用や法人口座への振り込み案内といった注意点に加え、相手のプロフィル画像の確認などの対策をアドバイスした。府警の担当者は「『被害防止=婚活支援の一環』と捉え、普段の啓発に生かしてほしい」と呼びかけた。

きょうと婚活応援センターは少子化が課題となる中、結婚を希望する府民の出会いを後押しする総合的な婚活支援拠点として平成27年10月に誕生した。現在、約2500人の府民が登録している。今後、イベントや相談時にロマンス詐欺の手口を紹介するなどし、注意喚起を行うとしている。

同センターの「マスター」として約10年活動を続ける西村真奈美さん(65)は「(被害者は)出会いを求めるあまり、寂しさなどにつけ込まれる。タイミングを見つけて注意喚起をしなければ」と話した。(森天音)

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