1カ月以上マンションの一室に飼い猫を放置し、瀕死の状態にさせたとして、大阪府警生野署は3日、動物愛護法違反(遺棄)の疑いで、京都市下京区の無職の女(27)を逮捕した。女は「家で猫を飼っていたが、引っ越しで部屋を離れた際に世話を放棄したことは間違いない」と容疑を認めている。
逮捕容疑は、昨年7月ごろ、大阪市生野区巽南のマンションの一室で飼育していた猫1匹を置き去りにし、命の危険にさらしたとしている。
同署によると、女は昨夏、このマンションを無断で退去。管理会社が8月30日、室内の猫を発見し、NPO法人「アニマルレスキューたんぽぽ」(大阪)に連絡した。
同NPOによると、猫は1カ月ほど室内に放置されていたとみられ、死亡寸前の意識がない状態でトイレの便器の横に倒れていた。室内にキャットフードや水などは見当たらなかったという。
猫の頭や足には打撲や裂傷があり、同署は女が猫に暴行を加えていた可能性もあるとみて慎重に捜査している。
同NPO代表の本田千晶さんは「動物は『かわいい』だけでは飼えない。20年先の自分の体力や生活の安定を考えて、飼えない人は飼わないのが愛情だ。動物虐待事案は立件されないケースもあるなか、遺棄も逮捕されるのだと示されたことで、同様の犯罪の抑止につながれば」と話した。