東京都町田市の法政大学多摩キャンパスで学生8人がハンマーで殴られけがをした事件で、逮捕された学生の女が、「いじめをやめさせるには、私をいじめる同じ教室にいる学生を殴るしか解決方法がないと思った」と供述していることが11日、警視庁への取材で分かった。被害を受けた学生の中には女と面識がない学生も含まれており、警視庁は詳しい経緯を調べている。
傷害容疑で現行犯逮捕されたのは社会学部2年で韓国籍のユ・ジュヒョン容疑者(22)。
国際犯罪対策課によると、ユ容疑者は留学資格で来日し、令和5年4月に法政大に入学。「日頃からいじめをうけ軽くみられていた」といい、事件当日の朝、「社会学部の教室にあったハンマーを上着のポケットに入れて持ち出した」と話しているという。凶器に使われたハンマーは柄が約30センチ、金属部分が約10センチで重さ約365グラムだった。
事件は10日午後3時40分ごろ、同大多摩キャンパスの教室内で発生。前から3列目に座っていたユ容疑者は授業開始から約10分後に立ち上がって後方へ進み、最後列近辺に座っていた10~20代の学生の男女8人に対して、ハンマーを次々と振り落とした。7人が頭、1人が右腕にけがを負ったが、いずれも軽傷だという。約2分間の犯行で、直後に大学職員がユ容疑者を確保した。