那覇市の知念覚市長は4日の定例記者会見で、同市立小学校で予定されていた航空自衛隊の音楽隊のコンサートが開催直前に中止になったことについて、「いろんな大きな問題を含んでいると思う。しっかりと精査したい」との考えを示した。
市立小学校では昨年12月、校長とPTA会長の連名で空自に対し、音楽隊によるコンサートの開催を依頼。那覇基地所在の南西航空音楽隊が今年1月31日のコンサート開催に向け準備していた。
だが、沖縄県教職員組合那覇支部が開催10日前に「自衛隊の活動を学校に持ち込むことは、特定の政治的立場を暗黙的に支持するものと受け取られ、政治的中立性を損なう恐れがある」などと中止を要請。学校側はその後、中止を決定した。
知念氏は4日の会見で「なぜ中止要請をしたのか。何をもって『特定の(政治的立場)』としているのか。私なりに解釈できていないところがたくさんある」と述べた。
市教委は取材に、学校側からコンサート中止の報告は受けたが、「PTA行事と聞いていたので、何もアドバイスはしなかった」としている。
知念氏は「私には報告が一切なかった」と明かした上で、コンサートが「授業の範囲だったのかどうか、判断材料が(ない)」とし、「沖縄の歴史からしたら、見解のわかれるところがあったのだろう」との認識を示した。空自の音楽隊については「音楽のすばらしさやテクニックをしっかりと伝えていると感じている」と評価した。