27日に投開票された自民党総裁選で新総裁に選ばれ、首相就任が確実となった石破茂氏に対し、北朝鮮による拉致被害者の家族は「拉致問題には人の命がかかっている」として、改めて被害者の早期奪還を求めた。
横田めぐみさん（59）＝拉致当時（13）＝の母、早紀江さん（88）は川崎市内で取材に応じ、「これまでに10人以上の首相に会い、同じことを言い続けているが、願いはかなわない」と指摘。過去に石破氏と会話を交わした経験は「ほとんどない」というが、「命がかかった問題であることを認識し、リーダーとして、強い気持ちで行動してほしい」と訴えた。
家族会代表でめぐみさんの弟の拓也さん（56）は「絶対に譲れない『全拉致被害者の即時一括帰国』という私たちの方針を、貫いていただきたい」とコメント。田口八重子さん（69）＝同（22）＝の長男、飯塚耕一郎さん（47）は「被害者救出は誰が総裁、首相になってもやらなくてはいけないことだ」と奮起を求めた。