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貸金庫窃盗で三菱UFJ頭取が会見へ 銀行信じて重要書類や貴重品を預けるサービス

産経ニュース 2024年12月16日 11時35分

三菱UFJ銀行の2支店で貸金庫の管理者だった行員が顧客の金品を盗んだ問題を巡り、半沢淳一頭取が16日午後、記者会見を開く見込みとなった。問題となった貸金庫は行内の小さな金庫を有料で貸すサービスで、ほとんどの銀行で行われている。利用者は銀行の堅牢性を信じて重要な書類や貴重品を預け、銀行は金庫の中身について詳細を把握しない。双方の信頼で成り立つだけに、今回の事態が三菱UFJに与える影響は大きい。

棚に引き出し、書類入れる箱型が主流

貸金庫は、書類が入る箱型が主流で、大きな棚にいくつもの引き出しが設けられている。引き出しごとに利用でき、契約証書、土地の権利書、遺言状などの重要書類のほか、貴金属、宝石、手形、小切手、公社債券といった有価証券、預金通帳・証書、印鑑などを預けられる。

金庫は丈夫で壊れにくく、耐火・耐震性を備えている。カードキーでアクセスすると、金庫の入り口に自分の引き出しが移動する全自動型や、たくさんある引き出しの中から自分の引き出しだけを開けられるタイプなど、さまざまな形状がある。

三菱UFJのホームページによると、年間使用料は深さ5・7センチ、幅26・2センチ、奥行き40・0センチで1万6170円、深さ6・2センチ、幅27・7センチ、奥行き49・3センチで2万2440円、深さ8・7センチ、幅27・7センチ、49・3センチで2万9700円となっている。同ページには「証書や貴金属から、世界にひとつの思い出の品まで。大切な財産の保管なら、私たちにおまかせください」と書かれている。

中堅中小企業の経営者が利用

ある大手行によると、中堅中小企業の経営者で高齢者の利用が多いという。営業時間内であれば、利用者は自由に金庫を開けることができる。銀行側は利用者同士が顔を合わせないように、入退室を調整する。行員が利用の際に立ち会うことはない。「現金は入れないようにお願いしている」というが、原則的に金庫の中身を把握しないという。

この大手行は、今回の問題を受け、貸金庫の管理体制を確認する監査を実施したという。銀行側はスペアキーを保管しているが、利用者の印鑑で割り印を押して厳重に保管するなど、「行員は勝手に貸金庫にアクセスできない」とし、「同様の体制をとっている三菱UFJで、どうして金品を盗むことができたのか」と首をひねった。

三菱UFJは11月22日、問題を公表。令和2年4月から6年10月までで、東京都内の2支店で約60人が被害に遭ったという。行員は金庫を無断で開けて金品を繰り返し盗んでおり、11月14日付で懲戒解雇されている。半沢頭取は金品を盗んだ手口や管理体制の詳細について、どう説明するのか、会見での発言が注目される。(高木克聡)

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