兵庫県たつの市で平成18年、小学4年の女児が刃物で刺され、服役中の男が殺人未遂容疑で逮捕された事件で、兵庫県警の幹部が7日午後に説明し、逮捕された勝田州彦(くにひこ)容疑者(45)が「女の子を刺した」という趣旨の供述をしていると明らかにした。ただ、刺した行為自体は認めながらも、「殺すつもりはなかった」と殺意については否認しているという。
捜査関係者によると、県警の任意聴取では「女の子を物色していた」という趣旨の供述をしていたことも判明。県警は今後、詳しい動機や経緯を調べる。
逮捕容疑は18年9月28日午後6時20分ごろ、たつの市新宮町新宮の路上で、学習塾から帰宅途中だった小学4年の女児=当時(9)=の胸などを刃物様のもので複数回刺し、殺害しようとしたとしている。現場周辺の防犯カメラには、リュックサックを背負って立ち去る不審人物が写っていた。
捜査関係者によると、勝田容疑者は任意聴取で、たつの市の事件とともに、翌19年に同県加古川市で小学2年の鵜瀬(うのせ)柚希さん=当時(7)=が刺殺された事件への関与も示唆。ただ、目撃情報や有力な物証などが乏しく、県警は慎重に捜査を進める。
勝田容疑者は同県姫路市で27年、女子中学生を刺したとして殺人未遂容疑で逮捕。服役中の30年、岡山県津山市で16年に小学3年の女児=当時(9)=を刺殺したとして逮捕された。令和4年に岡山地裁で無期懲役判決を受け、翌年に判決が確定した。
県警は7日午前、勝田容疑者を逮捕後にたつの署へ移送。今後、捜査を本格化させる。