通販市場の週刊専門紙「通販新聞」は30日、中居正広さん(52)の女性トラブルを巡りフジテレビが27日に行った記者会見に関する記事を配信し、フジに対して「社会とのズレを捉え、再発防止に真摯に取り組むことが求められる」と指摘した。会見はフリーの記者らがフジ幹部らに大声を挙げるなど荒れたが、通販新聞の記者が「静かにしてください。マジで」と一喝した場面がSNSで注目されていた。
フジは社会の空気捉えよ
記事はフジテレビに広告出稿の差し止めが相次いでいる事態について、通販業界からの視点で解説した。「通販業界にとって『売り場』である媒体の力が弱まることは、広告価格の高騰につながる。(フジテレビの)系列局や代理店で働く従業員、通販など関係企業の生活と地続きでもある」とし、フジについて「企業は社会の空気を捉え、適切な対応につなげる力が求められている」と強調した。
10時間超に及んだ会見では中盤、フジ幹部の回答に納得しない複数の記者が会見場の至るところで叫び始めた。答えているフジ幹部らに「聞こえねえよ」などの怒号も飛んだ。
通販新聞の記者はマイクを持つと、質問に入る前に、こうした一部の記者に「手を挙げた人が質問するルールになっている。そこは守ってください」などと注意していた。
通販記者「節度を持ち冷静に質問を」
この記者は産経新聞の取材に「フジの対応に問題があるにしても、節度を持ち、それぞれの問題意識に基づき冷静に質問する必要があると考えた」と答えている。
会見は質問や追及というよりも、持論を披露することに重きを置いているような記者も現れ、SNSでは「自己顕示欲が強い」などと疑問視するコメントも目立っている。
記事では、同社の記者が中居さんのトラブルが発覚してからも広告出稿を継続する企業に対する考えなどを尋ねた一連のやり取りも一問一答形式で掲載した。ただ、この記者がフリーの記者らに苦言を呈した場面は紹介していない。(奥原慎平)