昨夏の東京都知事選を巡り、無所属新人で立候補した前参院議員、蓮舫氏の選挙事務所に「安倍首相を思い起こさせることが起きるかもしれない」などと記して金銭を要求する手紙を送ったとして、警視庁捜査1課が4日、強要未遂の疑いで、仙台市の無職、大浦康宏容疑者（52）を逮捕した。捜査関係者への取材で分かった。
捜査関係者によると、大浦容疑者は都知事選告示後の昨年6月下旬、蓮舫氏の選挙事務所（東京都中野区）に自宅周辺から手紙1通を送付。「公職選挙法違反の証拠を握っている」「演説のスケジュールは把握している」などとした上で、安倍晋三元首相銃撃事件を想起させる内容を記し、「100万円を送れ」と金銭を要求した疑いがもたれている。
手紙は7月1日、蓮舫氏の事務所スタッフが発見し、警視庁に被害届を提出。捜査1課が今年1月28日、大浦容疑者の自宅を捜索していた。
昨年7月に投開票された都知事選には、蓮舫氏を含む過去最多の56人が立候補、小池百合子都知事が3選を果たした。都知事選を巡っては、ほかにも候補者の事務所に殺害を予告するファクスが届くなどしており、警視庁が捜査している。