埼玉県川口市に在留するトルコの少数民族クルド人をめぐり、法務省が「出稼ぎ」と断定する報告書を出していた問題で、鈴木馨祐法相は29日の閣議後会見で、クルド人の難民該当性について改めて現地調査するかどうかについて「個別の事案の審査などに関わるため、回答は差し控える」と述べ、言及を避けた。
鈴木氏は「報道は承知している」とした上で、難民該当性について「申請者の出身国情報を踏まえ、個別に審査し認定すべき者を適切に認定している。そのために、最新の出身国情報を着実に把握するよう取り組んでいる」と説明。
前回の現地調査から20年たっており、今後改めて現地で調査を行う考えがあるかとの質問には「個別の事案の審査、訴訟対応の方針に関わることなので、法相として回答は差し控えたい」と述べた。
その上で「難民不認定処分について行政訴訟が行われた場合は、補充調査を行うことはあり得る」と説明した。
この問題は、法務省入国管理局(現出入国在留管理庁)が20年前の平成16年、トルコで出身地の村を現地調査し「出稼ぎ」と断定、難民該当性は薄いとの報告書をまとめていた。産経新聞が今月25日付で現地取材の結果と併せて報じた。