金融商品の購入を装い、自身の口座に代金を送金させて現金約３００万円をだまし取ったとして、警視庁渋谷署は詐欺容疑で、東京都品川区、元「ＳＭＢＣ日興証券」社員、安達陸容疑者（２５）を逮捕した。「遊興費や借金を返済するため金がほしかった」と容疑を認めている。
同署によると、安達容疑者は令和５年１０月～６年２月、同様の手口で男性から１０回以上にわたり１千万円以上を振り込ませていたとみられる。また都内に住む７０代男性も同様の被害に遭っており、署は関連を調べている。
逮捕容疑は５年９月下旬～１０月中旬ごろ、渋谷区に住む顧客の６０代男性に対し、同社の金融商品「日興ファンドラップ」を追加購入するよう打診。「会社の振込専用口座に入金できない。着金の確認が早いので、私の口座に振り込んでほしい」などと噓を言い、計３回にわたり現金約３００万円を振り込ませて詐取したとしている。
安達容疑者は、正規の手続きで使うタブレット端末で男性に署名などを行わせ、契約が完了したように見せかけていたが、実際は未完了のままだったという。男性から連絡を受けた同社が今年５月下旬、渋谷署に告発した。