坂井学国家公安委員長は14日の記者会見で、18、19両日の大学入学共通テストを控え、受験生を狙った痴漢への警戒を呼び掛けた。「被害者の尊厳を踏みにじる極めて卑劣な犯罪だ」と行為を重ねて非難し、「受験生が安心して受験会場に向かい、頑張った成果を発揮できるようにしていく」と強調した。
近年、試験に遅刻できない受験生の弱みに付け込む形で、共通テスト当日を「痴漢祭り」「チャンスデー」などと呼び、痴漢行為をあおるような書き込みがSNSで相次いでおり、今年は全国の警察が3300人態勢で駅構内や列車内で警戒に当たるという。
坂井氏は、万が一被害に遭った場合は「泣き寝入りすることなく警察を頼ってほしい」と述べ、「受験生の事情に最大限配慮した柔軟な対応を行う」と語った。被害者への聴取は受験後に後回しするなどの対応をとるという。
共通テストを運営する独立行政法人、大学入試センターは試験場に向かう電車内などで痴漢被害を受けた場合は、追試験(25、26日)の対象となる方針を明らかにしている。