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10時間超のフジ会見 記者が記者に苦言「静かにして、マジで」「二次加害に取材配慮を」

産経ニュース 2025年1月28日 13時35分

芸能界を引退した中居正広さん(52)と女性のトラブルにフジテレビ社員の関与が報じられた問題を巡り、フジが27日に行った記者会見は10時間超に及んだ。トラブルに関する中居さんら当事者の認識についてフジの幹部らは言及を避けようとした一方、一部のフリージャーナリストは「問題の核心だ」として追及を重ね、指名されていないのに質問や怒声、意見開陳が相次ぐ事態になった。そうした姿勢に苦言を呈する記者もいた。

会見中盤に紛糾

「手を挙げた人が質問するルールになっている。そこは守ってください。静かにしてください。マジで」

通販新聞社の佐藤真之記者(44)はマイクを持つと、会場の一部に対してこう指摘した。同社は通販事業を展開する企業取材がメーンとなる。

佐藤氏も普段はサプリメントや化粧品の通販事業を取材しているという。声のトーンを落ち着かせると、広告出稿の差し止めが相次ぐ中、スポンサーに対するフジの説明のあり方を尋ねた。

午後4時に始まった会見は6時間が経過していた。

この直前、フジの遠藤龍之介副会長が中居さんと被害女性のトラブルについての認識の違いに触れてしまい、発言を撤回したものの会場は紛糾した。

司会者に「邪魔、邪魔」

複数の記者があちこちで叫び始め、フジ幹部が話している際も「聞こえねえよ」「記者はみんな(撤回せずに)言うべきだと思ってんだよ」などと怒号が飛んだ。マイクを持ったフリーのジャーナリストはこの点の追及を重ね、会場から拍手が起きる場面もあった。マイクを持たずに何かを説明し出す記者もいた。

荒れた雰囲気になったが、司会者の男性に制する素振りは見られない。マイクを持ったフリーのジャーナリストから「邪魔、邪魔」と〝交代〟も求められていた。

「節度を持ち、冷静に」

佐藤氏に続いてニュースサイト「The HEADLINE」の石田健編集長も「ガバナンス(企業統治)の不全やコンプライアンス(法令順守)を問うことも大事だ」と述べた上で、「同意があったか不同意だったかに関しては、女性側の二次加害になってしまう可能性がある。二次加害に配慮して、取材も、会見もする。そこが重要だ」と訴えると、この発言に対しても拍手が湧いた。

佐藤氏は産経新聞の取材に応じ、「媒体や記者は読者や視聴者を代表して出席している。フジテレビの対応に問題があるにしても、節度を持ち、それぞれの問題意識に基づき冷静に質問する必要があると考えた」と振り返った。その上で、「私も少し感情的な言い方をしてしまい、その点は反省している」とも語った。

佐藤氏や石田氏の発言にSNSで賛同する声が広がっている。通販新聞社のX(旧ツイッター)の公式アカウントは27日夜、「アクセス集中のため弊社サイトが閲覧しにくくなっております。大変ご迷惑をおかけしております」と書き込んだ。(奥原慎平)

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