奈良市で平成16年に市立富雄北小学校1年の有山楓ちゃん=当時(7)=が誘拐、殺害された事件が17日で20年になることを踏まえ、同市の仲川げん市長は13日の定例会見で「朝に『行ってきます』と言った子供が、『ただいま』と元気に帰ってくることを当たり前と思えることが、いかに尊いかを実感している」と話した。
仲川氏は高齢化や女性の社会進出や兼業主婦化に伴う見守り体制の弱体化で「人の力だけでは守り切れない部分が生じている」との懸念を示す一方、「防犯カメラといった技術と人の目の総和で、子供の安全を確保する知恵が必要だ」と話した。
仲川氏によると、市は今後、市内に防犯カメラを既存のものとあわせて約550基設置する予定。「民間を含めると千基はあるのではないか」との見解を示し、今後の防犯啓発について「地域の子供はみんな自分の子供だという意識を市民に広げていきたい」と述べた。
市では子供の登下校を記録するシステムを全小学校に導入しているほか、不審者情報のメール配信などを行っているとして「積極的な技術の活用を図りたい」と話した。