2つのグループの拠点が一斉摘発され、100人以上が逮捕されたSNS型投資詐欺事件で、大阪府警は4日、詐欺の疑いで、1つのグループのトップ、中村晋弥容疑者(42)=住居不定、無職=を逮捕した。昨年7月26日に公開手配されていたが、千葉県長柄町のログハウスに潜伏しているところを確保した。中村容疑者は数カ月外に出ていなかったとみられ、確保時に「長袖がないからなんとかしてほしい」と話していた。逮捕後は「現段階では何も話せません」と供述しているという。
府警は中村容疑者をかくまったとして、犯人蔵匿の疑いで、このログハウスに住む自称不動産コンサルタント、米田心海(しんかい)容疑者(42)と自称アルバイト、吉田明広容疑者(41)も逮捕した。
府警によると、中村容疑者の交流関係を調べる中で、送金のやり取りがあった知人の米田容疑者が浮上。捜査員が1月18日~2月4日の18日間、ログハウス周辺で張り込み捜査をし、3人が生活している様子を確認したという。4日の朝に捜査員が突入して中村容疑者らの身柄を確保した。
詐欺事件を巡っては、府警が昨年7月に大阪市内などにある2つのグループの活動拠点を一斉摘発。中村容疑者のグループのメンバー17人は全員摘発された。2つのグループはバイナリーオプションの投資名目で約150人から約9億5千万円をだまし取ったとみられる。
中村容疑者の逮捕容疑は昨年2~3月、愛知県の20代の女性会社員から投資名目で約90万円をだまし取ったとしている。