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<独自>川口クルド100人超、資材置き場で大音量騒ぎ警察出動「日本人の理解足りない」 「移民」と日本人

産経ニュース 2024年8月18日 15時0分

埼玉県川口市に在留するトルコの少数民族クルド人らが働く解体工事の資材置き場をめぐり、近隣住民などからの苦情や要望が過去2年間で70件超にのぼることが、市のまとめでわかった。最近では業務に伴う苦情だけでなく、資材置き場で集団で大音量の音楽を流す迷惑行為で警察が出動する騒ぎもあり、クルド人の一人は「日本人の理解が足りない」と話したという。市は迷惑行為を含めて規制する新条例の制定も視野に検討を始めた。

音で取り締まりしてみろ

埼玉県によると、川口市内の解体工事業者は251社で、過去1年間で1・2倍に増加。このうち約6割は代表者が中東系の名前で、大半はクルド人とみられる。また、市によると市内約800カ所の資材置き場のうち市東北部の地区の約40ヘクタールに約80カ所が集中している。

音楽を流す迷惑行為があったのは今年4月末。この地区にある資材置き場にクルド人100人以上が集まり、20台以上の車両が路上駐車。大型連休の午後に大音量で中東系の音楽を流すなどの迷惑行為が続き、住民が警察へ通報した。音は約1キロ離れた場所でも聞こえ、警察が帰った後も夕方まで聞こえたという。

近くには特別養護老人ホームや小中学校もある。住民からの連絡で市議らも駆けつけ、現場にいたクルド人男性に尋ねたところ「日本でいう盆踊りのようなものだ」と説明。路上駐車については「買い物やトイレにいく車が必要だから、動かせない。邪魔じゃないからいいだろう」と移動を拒んだ。

クルド人らはマイクで叫んだり呼びかけたりもしたため市議が注意すると、日本語を話すリーダー格の男性は「大金をかけて音響施設を用意したので、音は絶対に下げない。音で取り締まりをしてみろ」と言い放ち、こう続けたという。

「いまは日本人の理解が足りないけど、10年後はわれわれを理解する日がくる」

トラック通るたび震度4

市や関係者によると、この地区では十数年前、イラン人がテニスコート約22面分の広さとなる約5700平方メートルの土地を地主から取得。クルド人らが代表を務める解体業者の11社に分割して貸し出し、周辺にもクルド人らが経営する資材置き場が集まってきたという。

以来、廃材などを満載した大型トラックが狭い生活道路を頻繁に出入りし、住宅の壁や縁石が壊されたり、トラックの重みで簡易舗装のアスファルト道路が沈み込み、水道管が破断して水が吹き出すなどの被害が出ているという。

市開発審査課によると、集計を始めた令和4年4月から先月末までの2年4カ月の間に、同課に寄せられた苦情や要望は、騒音や振動被害21件、野焼き13件、粉じん被害6件、交通関連5件などで計72件。この地区からの苦情も多いという。

住民の一人は「トラックの荒い運転が怖い。通学路もあり、何よりも子供が心配」。別の住民は「最近はトラックが大型化して、地響きを立てて通るたびに震度4の地震くらいに揺れる。資材置き場のはずなのに、コンクリート殻を破砕する騒音や振動が絶えず、本当に困っている」と話した。

地区住民が陳情書提出

市は令和4年7月、一定の広さ以上の資材置き場の新設を許可制とする条例を施行。しかし、業務以外の騒音などは想定外だった。資材置き場が私有地であるため、法的な取り締まりも難しい面があるという。

相次ぐ住民の苦情や要望を受け、奥ノ木信夫市長は6月の市議会で「資材置き場で市民の安全を脅かす問題が起きており、市は週2回のパトロールのほか、騒音や振動が確認されたら指導をしている」と答弁。

現行の条例改正や、迷惑行為を規制する新たな条例の制定について「可能な限り対応を強化していく」と説明した。

7月中旬には、同地区の住民らが市などへ規制の強化や立ち入り調査などを求める陳情書を提出。市は8月1日付で「現在、問題点を確認しており、陳情書の意見も参考にさせていただく」などと回答している。

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