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「エレベーター閉まり激高」…一連のパワハラ疑惑に兵庫知事は何語る 30日に初尋問

産経ニュース 2024年8月29日 19時58分

兵庫県の斎藤元彦知事を巡る疑惑が文書で告発された問題で、県議会調査特別委員会(百条委員会)は30日、斎藤氏本人の出頭を求め、職員への一連のパワハラ疑惑について初めて尋問を実施する。記者会見や取材対応ではパワハラを否定しつつ、これまで具体的な言及は避けてきた斎藤氏。百条委では事実関係や本人の認識だけでなく、県政トップの説明責任の果たし方も問われることになる。

「百条委でしっかり」

「この場で詳細を答えるのは控えたほうがいいかな、と思う」

兵庫県庁で27日に行われた知事定例会見。斎藤氏は疑惑に関する度重なる質問をいずれもかわし「百条委でしっかりやりたい」と繰り返した。

全職員(約9700人)を対象としたアンケートのうち4568件を取りまとめた中間報告では、パワハラを見聞きしたとの回答が約4割にあたる1750件に上っていた。

繰り返す「適切な指導」

アンケートの記述などによると、斎藤氏の地方視察時に目の前でエレベーターが閉まった際、そばにいた職員に「お前はエレベーターのボタンも押せないのか」と激高。また告発文書では、斎藤氏が出張先で公用車を降りてから20メートル歩かされただけで怒ったとされ、職員に対する百条委の尋問でも、同様の証言が得られたことが明らかになっている。

こうした一連のパワハラ疑惑について、斎藤氏は「指導の範囲内で適切」と一貫して正当性を主張。一方で個別のエピソードの真偽や事実関係の説明は避けてきた。

職員アンケートの中間報告の結果についても、「コミュニケーション不足」や「受け取り方のずれ」を挙げつつ、「私としては県政をより良くするために必要とされる指導や、こうしてほしいということを自分なりに伝えた」と、パワハラには当たらないとの見解を示すにとどまっている。

30日の尋問では、パワハラ疑惑の個別の事実関係について委員から質問があるとみられ、斎藤氏の証言の具体性や信用性が注目される。

元局長への対応も追及

問題の発端となった告発文書は3月中旬、元県西播磨県民局長の男性(60)が一部の報道機関などに配布。県は同27日に男性を解任し、目前に迫った退職を保留。同日の会見で斎藤氏は法的措置を示唆し「噓八百」「公務員として失格」などと非難した。

県は5月、内部調査をもとに男性を停職3カ月の懲戒処分とした。男性は百条委に出頭し証言する予定だったが「死をもって抗議する」とのメッセージを残し、7月7日に死亡、自殺とみられている。

斎藤氏の贈答品受領疑惑や、男性の告発を公益通報と扱わずに処分した県の対応については9月5、6日の百条委で証人尋問を行って調べる。斎藤氏は6日に出頭する予定。

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