北朝鮮による拉致被害者家族連絡会の代表で、拉致被害者の横田めぐみさん=拉致当時(13)=の弟の拓也さん(56)が1日、長野市内で講演し、石破茂首相が1月31日の衆院予算委員会で日朝間連絡事務所の設置を「よく検証していかねばならない」と答弁したことについて、「判断を間違っている」と述べ、改めて設置に反対であることを訴えた。
拓也さんはこの日、政府拉致問題対策本部と長野県が主催した「拉致問題を考える国民の集い」で講演。北朝鮮で撮影されためぐみさんの写真を示しながら「みなさんの家族が写真の向こうにいると思ってほしい。拉致問題は私たちひとりひとりに課せられた人権問題」と訴えた。
前日の石破首相の衆院予算委員会での答弁についても「北朝鮮は厳重な監視下にあり行動を制限される。連絡事務所は、時間稼ぎ、拉致問題の幕引きにつながる。北朝鮮の術中にはまるだけ。北朝鮮の手口に乗ってはいけない」と危機感を示した。