神奈川県警暴力団対策課は、県内における令和6年の特殊詐欺の被害額は前年比約19億4900万円増の約65億5800万円だったと発表した。平成30年の61億1600万円を上回り、統計を取り始めた平成16年以降で最悪となった。SNS型投資・ロマンス詐欺の被害金額は約90億3500万円に上った。
同課によると、特殊詐欺の認知件数は前年比26件減の1999件。手口別では、親族が起こした事件の示談金名目などで現金をだまし取る「オレオレ詐欺」が747件(前年比1件減)で最も多かった。
「あなたの口座が犯罪に使われているので、カードを変える必要があります」などとうそをいい、キャッシュカードなどをだまし取る「預貯金詐欺」が前年比276件増の649件と急増した。
同課では、被害者に銀行やコンビニのATMから被害者に現金を振り込ませる手口の場合、行員や店員が被害を防止できることがあるため、カードなどを直接手に入れる形態の詐欺が増えたとみている。
また、SNS型投資・ロマンス詐欺は同比349件増の537件で、被害金額は約90億3500万円(同比約65億7100万円増)だった。
同課では「少しでも疑わしい状況があれば、すぐに行動せず、家族や警察に相談してほしい」と呼びかけている。