元タレントの中居正広さんの女性トラブルにフジテレビの社員が関与していたと報じた週刊文春電子版が記事を訂正したことについて、週刊文春の竹田聖編集長は28日、産経新聞の取材に応じ、「(弁護士の橋下徹氏の寄稿で)きちんと直した方がいいという指摘があったので訂正した」と釈明した。紙の雑誌にも訂正文を掲載する方針を示した。
編集部によると、フジ問題をテーマにした橋下氏のインタビュー記事を電子版に27日に掲載。橋下氏は同誌が同問題の第二報以降の記事で、女性に連絡した側がフジ社員ではなく、中居さんだったことが判明し、「前提が変わっていました」と指摘。「しれっと誤りを上書きしていたのです」とし、「読者に対して不誠実」と批判していた。
竹田編集長は「(中居氏のトラブルの第二報を掲載した)1月8日発売号が校了する6日までに間違いを認識していた」と回答した。週刊文春は、第一報で女性を誘ったのはフジテレビの編成幹部としていたが、続報以降では中居さんだったとして記事を作成している。
橋下氏は中居さんのトラブルに関する週刊文春への寄稿で、第一報と続報の変化を指摘し、「誤りがあれば、きちんと訂正する」よう求めた。橋下氏の寄稿を受け、28日午前中に電子版への訂正文掲載を決めたという。
竹田編集長は「第二報以降を読んでいる方には分かってもらえているが、第一報だけを読んだ人は勘違いしてしまうということで訂正を追記した」と話した。紙媒体の誌面にも、「何らかの形での掲載することになる」(竹田編集長)とした。
週刊文春は28日にニュースサイト「文春オンライン」でも謝罪したが、フジテレビに対しては「編成幹部がトラブルに関与した事実は変わらないと考えている」とコメント。竹田編集長は「社としてはコメントがすべて」として、フジテレビや中居さんに対する個別の説明や、報道機関の問い合わせに広く対応する記者会見の開催などは「考えていない」とした。(高木克聡)