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岩本理事長「1強」で機能不全 東京女子医大で第三者委 出向給与「二重払い」

産経ニュース 2024年8月2日 16時44分

東京女子医科大学(東京都新宿区)や同窓会組織「至誠会」を巡り、不透明な資金の流れが指摘されている問題で、同大が設置した第三者委員会は2日、調査報告書を公表した。岩本絹子理事長(77)に権限が集中する「1強体制」に問題があり、ガバナンス(組織統治)不全だったと指摘し、抜本的な改革が必要だとした。

同大を巡っては、至誠会の元職員と元事務長が共謀し、勤務実態がないのに至誠会側から約2千万円の給与を不正に得た疑いがあるとして警視庁捜査2課が3月、一般社団法人法違反(特別背任)の疑いで、大学本部や岩本氏の自宅など数カ所を家宅捜索。同大は4月に第三者委を設置し調査を進めていた。

この問題について、報告書では、至誠会から大学の経営統括部に出向するなどした職員への給与が「過大で疑義がある」との見方を示し、二重払いと評価した。

また、医学部卒業生の親族向け推薦入試で、至誠会が受験生側から寄付を受けていた問題にも触れた。願書に寄付実績の記載欄が設けられ、受験生側に心理的な負担を与えたと判断した。

一連の問題の背景として、平成31年に岩本氏が理事長に就任して以降、異論を述べた人物を敵視して排除するなどし、権限を集中させたと指摘。その結果、理事会を機能不全に陥らせたとした。

報告書の公表を受け、2日に会見を開いた第三者委は、「(学校法人の運営は)理事長個人が決定できるかのように錯覚し、理事会が理事長の意見を承認するようなケースが見られる。それがこうした問題を生みだした」と述べた。

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