7日(日本時間8日未明)に行われた日米首脳会談で、北朝鮮による拉致問題の解決に向けて両国間で引き続きの連携が確認されたことを受け、拉致被害者家族は「日米が歩調を合わせられたことはよかった」などと評価した。
石破首相には改めて〝注文〟
石破茂首相は首脳会談後の共同記者会見で、拉致問題への「強い切迫感と解決への決意」を会談中にトランプ米大統領に伝え、「即時解決に向けた力強い支持を得た」と明らかにした。
拉致被害者の横田めぐみさん(60)=拉致当時(13)=の弟で、家族会代表の拓也さん(56)は報道各社へのコメントで、「首脳会談で拉致問題解決の必要性を表明し米国の支持を得られたこと、北朝鮮による人権侵害に対して日米が歩調を合わせられたことはよかった」と指摘。その上で、「家族会の親世代が健在なうちに日本の地で(被害者と)再会できることが重要。これが果たされなければ(家族会として日本政府に対し)再び(北朝鮮への)制裁と圧力強化(を求める方向)に軸足を移す」とした。
さらに、日本政府には今後の対北交渉を巡り、「(全被害者の即時一括帰国という)要求の水準を下げることなく、(日朝間の)連絡事務所や合同調査委員会設置といった時間稼ぎと幕引き(を図る案)に加担することがないよう注意していただきたい」と求めた。
早紀江さん「安倍さんの時のように」
めぐみさんの母、早紀江さん(89)もコメントを出し、「石破さんも最善の努力をしてくれているなと思って見ていた。それぞれの国にもっと大きな問題がありますから、アメリカがどこまで拉致問題の話をしてくれたかは分からないんですが、話をなさってくれていたらいいなと思っています」と期待感を示した。
拉致問題を巡る今後の日米の連携については、「それぞれ総理大臣にも特徴があります。石破さんは石破さんでいいところもおありでしょうから、安倍(晋三)さんの時のように、また違った形で(トランプ氏に)信頼していただいて、拉致についてお話ができるようになってほしいと思います」とした。