令和5年11月に実施されたプロ野球阪神・オリックスの優勝パレードの経費を巡る不正疑惑で、兵庫県警は21日、同県尼崎市の市民団体などが提出した斎藤元彦知事と片山安孝元副知事に対する背任罪の告発状を受理した。
提出したのは同市の「市民オンブズ尼崎」など。告発状によると、斎藤氏らが5年11月、金融機関への補助金を1億円から4億円に増額し、見返りとしてパレードへの寄付を要求したと指摘。県予算を使わない開催計画を達成するためにキックバックさせることとし、本来不要な補助金の増額で県に損害を与えたとしている。
補助金の対象となった金融機関も背任の共犯となる可能性もあるとし、「厳正な捜査を求める」とした。
優勝パレードに関する疑惑は、元県西播磨県民局長の男性=昨年7月に死亡=が作成し、一部の報道機関に配布した告発文書に記載されていた。男性は文書の内容が誹謗(ひぼう)中傷に当たるとして県から懲戒処分を受けた。
斎藤氏はこれまで疑惑を否定。昨年11月25日の県議会調査特別委員会(百条委員会)で証言した県幹部は、斎藤、片山両氏から増額の指示を受けたとした一方、「額が動くのはよくあることだ」と説明した。
斎藤氏は21日午後、報道陣の取材に応じ、告発状の受理について「(告発状の)詳細は承知していないので、コメントできない。パレードについてはきちんと対応、説明してきた」と述べた。