京都市左京区の路上で平成19年、京都精華大マンガ学部1年の千葉大作さん=当時(20)=が刺殺された事件は来年1月で発生から18年となる。京都府警は目撃情報などから、直前に千葉さんとトラブルになっていた男を容疑者と断定し捜査を進めているが、逮捕には至っていない。
捜査本部がある下鴨署によると、事件に関して寄せられる情報提供は毎年70件程度。事件のあった毎月15日に広報活動を展開しているが、その数は横ばい傾向にある。
事件は19年1月15日午後7時45分ごろ起きた。自転車でクラスメートのアパートへ向かう途中、千葉さんは何者かに胸や腹などを刺され殺害された。目撃情報などから男は当時20~30歳で身長は170~180センチ。ボサボサのセンター分けで登山靴を履いていたとされる。捜査本部は今年1月、凶器について先のとがった細長い刃物の可能性があると明らかにした。
JR京都駅前広場でも情報提供を求める広報活動があり、府警捜査1課の井関伊秀課長補佐は「千葉さんや遺族の無念を晴らすために真実を明らかにしたい」と訴えた。
同駅を毎日利用する大津市の男性会社員(63)は「時間とともに忘れ去られ、ひとごとのようになるのは悲しい。犯人が捕まることを祈るしかない」と話した。
容疑者逮捕などに結びつく有力な情報の提供者には最高300万円の捜査特別報奨金が支払われる。情報提供は下鴨署捜査本部(075・703・0110、0120・230・663)。(森天音)