堺市中区八田西町の大阪府営住宅の団地で、住人の電動車いすに火を付けたとして大阪府警が、建造物等以外放火の疑いで、この団地に住む無職の男（５４）を逮捕したことが２日、捜査関係者への取材でわかった。この団地ではインターホンや玄関の表札が燃やされる不審火が複数発生しており、府警は関連を調べる。
捜査関係者によると、男は７月１７日昼、団地の敷地内に止められている住人の男性（７５）の電動車いすに、何らかの方法で火を付けた疑いが持たれている。
男性は腰とひざが悪く、外出の際は電動車いすを利用。この日は迎えにきたヘルパーの「火事ですよ！」という声で、あわてて外に出た。バケツの水をかけて消火しようとしたが、間に合わずに全焼した。よく見ると、玄関の表札も焦がされていたという。
男性とは面識があり、自宅に招いて食事をしたことも。男性にとって電動車いすは外出の際の必需品。「歩くと全身が痛む中、移動する手段が失われて困った。なぜこんなことをしたのか…」と話した。