暴力団対策法で立ち入りが禁じられた事務所に出入りしたとして、大阪府警捜査4課は26日、同法違反(警戒区域内での事務所立ち入り)の疑いで、特定抗争指定暴力団山口組直系「兼一会」の幹部、近藤英二容疑者(54)=群馬県高崎市=ら同会幹部4人を逮捕した。同課によると、警戒区域の事務所の立ち入りを巡る摘発は全国初とみられる。
山口組は令和2年に特定抗争指定暴力団に指定されて以降、警戒区域とされる大阪市内などに所在する事務所への立ち入りを同法で禁じられている。兼一会は大阪市中央区島之内に本部を置く山口組の直系組織。従来の事務所の立ち入りが禁じられて以降、同会は近くのマンション一室を〝隠れ事務所〟として使用していたとみられる。
4人の逮捕容疑は、共謀し、6月11日、同法により立ち入りが禁止されている同会事務所の大阪市中央区のマンションの一室に立ち入ったとしている。
この部屋の賃貸契約を巡り、府警は今年6月、詐欺容疑で、同会の金奎轍(けいてつ)(通称・植野雄仁)(72)会長らを逮捕。部屋を捜索したところ、パソコンやプリンターなどの事務用品のほか、防弾チョッキや代紋をかたどったバッジ、組名などのゴム印、盃なども発見され、府警は組事務所としての実態があったと判断。出入りが確認された幹部の逮捕に踏み切った。