国のデジタル田園都市国家構想の交付金申請を巡り、自民党の長谷川岳参院議員（北海道選挙区）への説明のため、３月に上京した札幌市職員が１分程度で面会を打ち切られた問題で、同市の秋元克広市長は１０日の定例記者会見で「事業説明しようという目的が達成できなかったことは遺憾だ」などと述べた。
秋元市長がこの問題を把握したのは５月下旬。長谷川氏に対しては威圧的な言動が問題視された４月時点で改善を申し入れているとし、「その後に発生した事案ではなく、過去に起きた中にこういう案件があったという認識。このことだけをとらえて申し入れたことはない」とし、改めて申し入れる考えもないことを強調した。
この問題では、札幌市デジタル戦略担当部門の局長や部長ら幹部を含む職員４人が３月１日、長谷川氏に面会するため都内の事務所を訪問。担当係長が同席していないことを理由に長谷川氏から「俺は約束通りにやらない奴は嫌いなんだ」「帰りなさい。だめ、終わり」などといわれ、１分程度で面会を打ち切られた。市側は３日後、担当係長ともに再度上京して長谷川氏に説明を行っている。
この出張の取り扱いについて秋元市長は「面会して事業説明をしようという目的で出張しており、行くことは適切だった」などと話している。（坂本隆浩）