東京都台東区のマンションに住む一族が相次いで変死した事件で、殺害した親族の保険金を詐取したとして、警視庁浅草署捜査本部は17日、詐欺の疑いで細谷健一被告(43)=殺人罪で起訴=、妻の志保被告(38)=同=を再逮捕した。
再逮捕容疑は共謀して、人体に有害な化学物質「エチレングリコール」を摂取させて健一容疑者の父、勇さん=死亡当時(73)、母の八恵子さん=同(68)、姉の美奈子さん=同(41)=を殺害したにも関わらず、平成30年8月、保険会社1社から3人の死亡保険金計約2600万円をだまし取ったとしている。
捜査本部によると、保険金は相続によって健一容疑者が受取人となった。健一容疑者は、保険会社の約款に受取人の故意によって加入者が死亡した場合、保険金の支払いを拒否する旨が明記されていたにもかかわらず、「死亡保険金請求書」や3人の死亡診断書を提出していた。捜査本部はラインのやりとりなどから、志保容疑者も共謀したと判断したという。
3人は30年に相次いで死亡。両容疑者はこれまでに3人と次女の美輝(よしき)ちゃん=同(4)=を殺害した疑いで逮捕されている。捜査本部は遺産目当ての犯行とみて追及している。