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南海トラフ臨時情報「特別な呼びかけ」終了へ 15日で1週間、政府が対応検証の方針

産経ニュース 2024年8月14日 18時59分

気象庁が制度開始以降初めて発表した南海トラフ地震の臨時情報「巨大地震注意」について、政府は14日、住民や自治体などの対応状況を検証する方針を明らかにした。南海トラフ地震の防災対策見直しに向けた作業部会での検証を念頭に置く。臨時情報発表から15日で1週間。大規模地震などの異常現象がなければ、政府は15日午後5時をもって「特別な注意の呼びかけ」を終了する。

政府は8日の臨時情報発表以降、1都2府26県707市町村に対し、備蓄や避難経路といった日頃の備えの再確認などを呼びかけていたが、15日以降は発生時にすぐ避難できる態勢の確保は呼びかけを終了する。就寝時に非常袋や履きなれた靴を枕元に置くなど、平常時には取らない特別な対応も含まれる。

一方、臨時情報は解除の手続きがなく、政府として日頃からの備えは継続して呼びかける。気象庁の担当者は「1週間経過後にも大きな地震が発生した事例はある」として警戒を求めている。

南海トラフ地震を巡って政府は平成26年3月、死者最大32万3千人との被害想定に基づき、死者数おおむね8割減を掲げた基本計画を策定。昨年4月、10年おきの見直しへ向けた提言を検討する作業部会を設置した。

その後、今年元日に発生した能登半島地震を受け、対応の検証結果を提言に反映させる必要が生じた。年内にも提言をまとめる見通しもあったが、今回の検証で年明け以降にずれ込む可能性もある。防災対応指針へどこまで反映させるかなどは今後の検討課題だ。

今回の臨時情報では、事前準備の進捗(しんちょく)によって自治体の対応に差が出たほか、臨時情報への理解に課題があることも分かった。作業部会で主査を務める福和伸夫名古屋大名誉教授は「今回の対応について何も議論しないわけにはいかない」と述べ、自治体の対応状況などを調べる必要性を示した。

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