和歌山市と、同市内で飲食事業を展開している「TABLOCAL(タブローカル)」は、災害時の食事の提供に関する協定を結んだ。避難所などで被災者らにキッチンカーによる温かい食事や食材を提供する。
同社は店舗の他にキッチンカーでの飲食物の販売も行っている。同社と同市を中心にした約30のキッチンカー事業者は災害時に食事の提供を行うことなどに協力する「フードトラックバンク」という取り組みを独自に行っており、市との協定でも活用されるという。
市役所で行われた協定の締結式で、尾花正啓市長は「一次避難所の環境整備に取り組んでおり、温かい食事が提供されることは災害関連死を防ぐ意味でも大変ありがたい」とあいさつ。同社の奥畑公康社長(47)は「平時からの準備と連携があれば被害を最小限に防ぎ迅速な対応が可能になる。食を通じた防災の要となるよう全力で取り組んでいきたい」と述べた。
同社は昨年10月に実証実験として、同市内でカレー約300食を無料で提供する炊き出しを実施。その際には食材を企業から提供を受けており、今後も活動への賛同を広げながら実験を行っていくとしている。
奥畑社長は「食のプロとして、例えばどれぐらいの材料でどれぐらいの量を作れるか、日々考えている。こうした経験を災害時にも生かしたい」と話した。