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全国の地震痕跡1670件公開 奈良文化財研究所、発掘成果を防災に活用

産経ニュース 2025年1月15日 23時44分

奈良文化財研究所(奈良市)は15日、全国各地の発掘調査で見つかった地震痕跡を網羅したデータセットを24日からインターネット上で公開すると発表した。液状化などの地震痕跡の分布が分かり、同研究所は「発掘で得た地質情報を防災・減災に生かしたい」としている。

これまで同研究所では災害痕跡のデータベースはあったが、地域的に限定的なものだったため、今回、全都道府県の約13万件に上る発掘調査報告書を精査し、旧石器時代から近現代のものまで1670件の地震痕跡情報を抽出。専門家から一般の人までさまざまな場面で活用してもらうことを想定している。

データセットは痕跡について記載した書誌と調査地点、災害に関する情報で構成。各都道府県の調査地点単位で地割れ、液状化といった地震痕跡、災害名が示され、被害の分布がつかみやすくなる。

さらに、データを地形などさまざまな地理的情報と組み合わせることで災害発生の実態把握につながる。今後は災害の種類・被害をさらに広く網羅するなどデータ量を増やす考えだ。

同研究所の村田泰輔主任研究員(災害考古学・地質学)は「発掘調査では足元の地質のことが分かるが、これまでは生かされてこなかった。データ公開により住んでいる地域の情報を知ってもらい、防災につなげてほしい」と話している。

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