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浸水隠しでJR九州高速船を捜索 会社ぐるみで隠蔽か、異例の強制捜査

産経ニュース 2024年10月17日 12時40分

博多港と韓国・釜山を結ぶ高速船「クイーンビートル」の浸水を隠して運航を続けたとして、福岡海上保安部は17日、船舶安全法と海上運送法違反の疑いでJR九州の子会社「JR九州高速船」(福岡市博多区)と同船を家宅捜索した。海上保安庁によると、同容疑で強制捜査に入るのは異例。会社ぐるみで隠蔽した疑いもあり、海保は「証拠隠滅の恐れを排除できない」と理由を述べた。

JR九州高速船は今年2月、クイーンビートルの船首部分に2~3リットルの浸水を確認したが、修理をせずに3カ月以上運航を継続。浸水量が増えたため、5月末になって初めて浸水が見つかったと偽り、九州運輸局に報告した。

同社の隠蔽は、国土交通省の8月の抜き打ち監査で発覚。同省は9月、海上運送法に基づく安全確保命令と、安全統括管理者・運航管理者の解任命令を出した。

親会社のJR九州は内部調査の結果、一連の隠蔽がJR九州高速船の田中渉前社長の指示だったことを認め、8月13日付で社長を解任した。同社は昨年6月にも同船の浸水を把握しながら、法定検査を受けずに運航を継続したとして国交省の行政処分を受けている。

福岡海保は一連の浸水隠しが組織的だったとみており、近く田中前社長ら経営陣から事情を聴く方針。JR九州は「海上保安部の捜査に真摯に対応する」とのコメントを出した。

クイーンビートルは令和4年11月に就航。定員は502人。博多-釜山港を3時間40分で結び、1日1往復運航していたが、2度目の不正発覚後の今年8月13日以降、運休している。

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